Java専門誌の休刊

JavaPressに続いてJavaWorld、Java専門誌の相次ぐ休刊。とても残念です。こういう優良な雑誌がなくなると、どうなってしまうのだろうか・・・という不安について。

なんで、なんでなんで?

今日本屋で、JavaWorld休刊を知りました。蒼々たる執筆者の方々のメッセージがのっていて、なんだか同級生と話しているような、甘酸っぱい気持ちで立ち読みしました(内容は薄かったので買ってません)。

事情はいろいろあるのでしょうが、なんでだ!?というのが正直な感想です。コンピュータのことを全く何も知らなかった新人の頃の自分にとっては、JavaWorldJavaPressも、強力な道しるべでした。そしてまた最近、Java使うぞ!とイキリ立ってた私にとっては、この休刊は少なからずショックです。

でも確かに、私もいつからかJava雑誌は購入しなくなりました。
理由を挙げてみると、

  • 流行廃れが激しくて、内容が淡白になってた
  • 一方では同じような記事の繰り返し
  • 「ツール特集」や「仕様紹介」程度の非実践的な内容が増えた
  • 各記事の問題解決領域がせまい(マニアック)

Java慣れしているエンジニアにとっては、サッと立ち読みして流行を確認したら、後はネットでリファレンスのありかを探せば十分だったりします。逆に、これからJavaを始めようとしている新人にとっては、ドえらく難解な記事が多くなっていたような気がします。

対象読者を絞りきれないどっちつかずな雑誌になってしまっていたのかもしれません。・・完全にイチ読者の憶測ですが・・

売れる雑誌に、見直すところはないのか?

今は、SoftwareDesignWEB+DB Pressあたりは売れてるのでしょうか。私も、たまに買って読んでいます。言語しばりはナイですし、流行の技術を紹介してくれるので、なんとなく手にとってしまう。Javaは、もはや言語としての特別感はなくなり、数ある楽しい技術の中の一つ、と捉えられているのかもしれません。それはそれで悪いことではありませんし、キャッチーな話題とJavaが絡むのは、Javaファンとしては、うれしいことです。

しかし、これらの雑誌に、往年のJavaWorldほどの深み知恵はあるのでしょうか。

今売れている雑誌は、AjaxやらWebAPIやら、華があってスマートなキーワードがもてはやされています。こういった記事を読むと、あたかもJavaがPerl/Ruby/PHPに押されているように見えてしまいがちですが、(勝てない分野はあるにせよ)そうではありません。

良く観察してみてください。例えば、雑誌を席巻しているCatalystやRailsは、「ようやく今になってスクリプト言語にもWebフレームワークが誕生した」、それだけの話なのかもしれないですよ。Javaでは、10年前から話題になり、世界中が試行錯誤していた内容です。Railsが、何か新しいことを生み出したでしょうか?私には、そのようには見えません。今のスクリプト言語関係の記事を読んでいると、「え?いまごろ?」という話題も少なくありません。

もちろんこの発言は、言語の優劣をいってるのではありません。雑誌のあり方、その情報の受け止め方に危惧しているのです。
と、お断りした上で、もうちょっと言及すれば、
そもそも、WebやWeb-APIなんてものは、システムの見え方のイチ形態にすぎません。たかだか上っ面を舐めただけで、ギーク気取りするようなエンジニアが増えては困るのです。

ホンの一例

 EJBは煩雑だ。Javaは肥大化しすぎた。もう終わりだ。

・・・良く聞くフレーズですねw
特に若いエンジニアに忠告しておきたいのですが、そんなに安易な、雑誌や世論の受け売りで、EJBを遠ざけるべきではありません。

EJBを作るためには、データベースのアイソレーションレベルやインスタンスプール、リモートコールや直列化など、システムを構築する上で、当然熟慮しなければならないことを網羅しなければなりません。確かに煩雑です。そういったことを勉強しなければ、EJBというものは作れないようにできている。でも、逆に言えば、これは大事な勉強のはずです。ここをクリアしなければシステム構築する資格はナイ、とも言えるのではないでしょうか。

「EJBなんてクソ」と大声で吹いているエンジニアはたくさんいます。そういうエンジニアには、試しに聞いてみたくなるときがあります。

 アイソレーションレベルってなんですか?
 なぜ必要ですか?もう必要じゃないんですか?
 Railsでは必要じゃないんですか?必要なんですか?

絶対的な正解があるわけではないとは思いますが、自分の言葉で答えられるエンジニアは、全体の何パーセントいるのでしょうか・・・。

少なくともEJBを使って確実にシステムを構築してきたエンジニアは、こういう問いには、明確な答えを持っているはずです。配置記述子というものは、それ自体がシステム作りのための良い教科書だったのではないでしょうか。おそらく、多くのエンジニアにとって、そうだったハズです。

EJBが煩雑だ、という意見は、このようなことは理解したうえで、もっとラクにできないか?という挑戦なのです。そのようなバックボーンを受け止める器を持ってほしいと思います。その上で、EJBはクソだというのなら、それは、立派な意見だと思います。

地に足のついたエンジニアに必要な雑誌

さて、Java雑誌に感じていたことの一つに、「問題解決領域が狭い」ということを挙げました。

アイソレーションレベルなんて、ほんとにせま~い内容ですよねw
でも、堅牢なシステムを構築するということは、そういった小さなメカニズムや理論の積み重ねです。

RailsやPHPのように動くモノを作って楽しむことが、まずは先決なのでしょうか?勉強しないヤツにはシステムなんて作れないようにするのが良いのでしょうか?・・・難しい問題です。でも、昨今の建築業界で起きてることなんか見てると、「動いたー!たのしー!」なんて、楽観できるものではあるまい。

Java Worldのような、多少マニアックでも、地に足のついたエンジニアを育ててくれる雑誌は、今のような時代だからこそ必要なのではないのでしょうか。実際のシステムを稼動する、最後の最後の一押しをサポートしてくる専門誌が必要なんです。

なにはともあれ、私のような地方でJavaを活用しようとしているエンジニアにとっての情報源が一つ絶たれてしまいました。残念でしかたがありませんし、不安でもあります。


コメント
禿同です
2007/01/11
その気持ち、わかります。Web2.0とかのころから、何かがおかしくなってると思います。
武田ソフト
2007/01/12
禿同さん、コメントありがとうございます。
私も、Web2.0は企画屋さんのレイヤーだと思うので、エンジニア向け雑誌がWeb2.0に溢れた頃は違和感がありました。低層は隠蔽していくのが発展だとは思うのですが・・・古いと言われれば、そうなのかもしれません。
匿名さん
2007/02/06
「禿同さん」て、ちょっと笑えた。
武田ソフト
2007/02/07
ん?とおもって、調べて、意味わかりました。
ありがとうございます。

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