前回、なんか大事なことを書き忘れたような気がしたので、再び。
ベンダー依存のITを止めるためにオープンソースを使う
このことを政府が推進したのに対して、大手ベンダーはかなり困惑していたはずです。自治体は大手ベンダーにとって従来からの大口顧客ですし、製品は売れなくなるし。
一方、自治体は自治体で、政府が掲げる「J2EE、オープンソース、共通基盤」などのでっかいキーワードを、地場のSIerに委託しきれませんでした。技術的な実績が乏しかったし、なにより、規模が大きい。結局、委託できるのは、大手ベンダーしかいない。という矛盾が生じていたのです。
変な話ですね。
当時は、なんとかいい形にオトシドコロを見つけようと、関係者一同努力していました。そしていま振り返ると、e-Japanがドライブしていたことが、2つあるように思います。
地場ベンダーが変わった
1つ目は、地場ベンダーの自立。
前述の矛盾をどうにか解消しようと関係者が取った作戦は、「大手ベンダーが地場ベンダーのバックサポートに回る」ことです。自治体から見れば、地場ベンダーと取引をしていることになるので、政府の思惑通りにコトが進みます。
従来は、大手ベンダーがフロントで下請けが地場ベンダーになることが多かったはずですから、関係が逆転したわけです。しかも、地場ベンダーは、大手ベンダーからのノウハウを吸収して、自立することができる。
単なる奇策ではありません。将来を見据えた構造改革が進んでいたのです。そして、関係者はみんなハッピー。こういう動きは、これからもずっと続いていけばいいと思います。
大手ベンダーが変わった
もうひとつは、大手ベンダーのビジネスモデルの変化。
IT業界では、製品を売ることに専念するビジネスのことを「ハコ売り」といいますが、大手ベンダーは「ハコ売りでは食っていけないのではないか」という危機感を持つようになりました。なにせ、おカミがオープンソースの旗振りをはじめたのですから。
ちなみにハコ売りという言葉は、若干批判的な意味合いを含んでいるのですが、これをビジネスモデルとしている優良企業はたくさんありますし、それ自体を批判するのはナンセンス、だと私は思います。
そして、こぞって、オープンソース(Linuxやミドルウェア)をサポートすることを、高々とプレスリリースしていきます。この当時は、Linuxサポートがちょっとしたステータスのような感じでしたね。
で、モノで稼ぐことができなくなったのですから、何で金儲けをしていくのかといえば、「サービス」に力を入れざるを得ません。SI事業、コンサルティング、などなど、これまでメーカーやリセラーとして活躍してきた企業も、SIerに転身していきます。
この動きは、良いのか悪いのかわかりません。個人的には、
日本のメーカーがものづくりをやらなくなるのは寂しい・・・という思いはあります。
以上、e-Japanの巻は終わりです。