第16回 2004年 J2EEコンテナ競争の終焉

BEAとOracleがしのぎを削っていたパフォーマンス競争。BEAが独壇場だった、最新仕様への対応の早さ。BEAとIBMの市場シェア競争。置いていかれるSun。J2EEコンテナ競争は、6年間の激しい戦いを終えて、次のステージに向かい始めました。

J2EEコンテナ競争

J2EEベンダーといえば、IBM、Sun、BEA、Oracle...etc。標準仕様に準拠しているのだから、同じような製品になりそうなものですが、それぞれの製品にそれぞれの個性があり、それぞれが激しく戦っていました。

これらのベンダーの2000年前後の競争内容といえば、

  • EJBのパフォーマンスの速さ
  • HTTPソケットの効率の良さ
  • 新仕様・バージョンへの準拠の早さ
など。いま思えば、そんな些細な(?)ことに誰しもが興味をもっていたんですね。CPU速度が上がった今でこそ些細だと感じますが、400MHzの頃には確かに大きな問題でした。

私も、なんど比較表を見せられたことか、そして、書かされたことか!
  • パフォーマンス比較の折れ線グラフ
  • アッチにできないけどコッチはできるよマトリックス
  • 仕様準拠表
しかも、それぞれEJB、Web、JMSごとにあります。加えて、稼動プラットフォーム毎、クラスタ組んだ場合などなど、製品比較資料だけで何ページになるだろう。

「こっちの方が1000分の1秒速いから買ってよ」とか「この製品を売る理由を考えてよ」とかね。どれでも一緒じゃ!と心の中で叫びながらも、ごヒイキ様の顔色うかがいながら、フムフムと比較に没頭させていただいておりました。

JBossの台頭

激しい競争の末、大手ベンダーの製品もだいぶ枯れてきた(安定したことを「枯れる」と言う)ころ、オープンソースJ2EEコンテナのJBossが、とんでもない行動にでます。

 IBM、BEA製品からJBossへの移行キャンペーン

たかがオープンソースベンチャーが、業界のトップを走ってきた2社を名指しで戦線布告!
コンテナの価格は、IBM 200万円、JBossは無料。当然、ユーザーはJBossへ移行します。JBossの本当の狙いは、コンテナの入れ替えと共に、IBMが得意としていた「コンサル」「サービス」を掻っ攫うことでした。そして、JBossはウハウハの大盛況。IBMはメンタマひん剥いて怒ります。

1年後、IBMはApacheプロジェクトのオープンソースJ2EEコンテナGeronimo自社製品として迎え入れますが、これはIBMの意地なのか、それとも、自社製品のアーキテクチャの古さに手が施せなかったからなのか。
いずれにしても、ちゃっかりと対JBoss体制を整えて、防衛しています。超マンモス企業をビビらせるオープンソース企業。こういう構図が、ソコかしこに見られるようになりました。RedHatとSunも、そう。


 そういえば、このあいだRedHatがJBossを買収しました

JBossのこうした動きは、J2EEサーバを無料にする動きを加速します。過去にWebサーバが全てApacheHTTPDに食われてしまったように。

次の戦い

でも時代はもう、J2EEコンテナ競争は終わって、次のステージでの戦いになりつつありました。JBossの台頭を待つまでもなく、既に大企業はJ2EEコンテナでの商売には見切りをつけていたのです。

次のステージとは、最近良く耳にするSOA。ここでやっと、使い道のなかったJ2EE1.3-1.4の新仕様群が注目されることになります。
次回は、そのあたりを。



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