書評:たのしい開発 スタートアップRuby

2012/07/27 |書評 |comments(0)

(Ruby入門+Rails入門+アジャイル入門+TDD入門+エッセー)÷5。内容は広く薄くですが、なかなか絶妙な本です。献本ありがとうございました。

普通のプログラマが歩んできたRuby・Rails・コミュニティ・プロジェクトにまつわる技術・方法論・実践を、広く薄く優しい文章で網羅し、日々いかに楽しくプログラミングをしているかを熱く語った本。技術本というよりは、筆者目線のRuby物語に近く、はっきり言って、つかみどころがない。

日々充実したプログラマ業やっている人にとっては「そうだよねーわかるわかるー」みたいな感じで、日々不満をためているプログラマーにとっては「そんなステキな世界があるんだねーポワーン」みたいな感じ。
一言で言えば「癒し本」です。(あるいは、Ruby界隈を外からみている人からは宗教本あつかいされてしまうかも。。)

で、えっ、誰得?と考えてみると、

この本を必要とする人(筆者が本当に届けたい相手)は、SIerやソフトハウスで不満爆発寸前で、何とか状況を改善したいと思っていて、しかしながらはじめの一歩が踏み出せない。そんなプログラマなんじゃないでしょうか。

そう仮定して読んでいくと、はじめの一歩のヒントがたくさん詰まっています。

 ・朝会を立って輪になってやる。
 ・GitHubアカウントをとる。
 ・あきらめない、と決意する。
 ・勉強会をのぞいてみる。
 ・Ruby使ってみる。
 ・ ・・・

いくら忙しくても一歩は踏み出せる。踏み出さないのは、本当はやる気がないんだろ?言い訳してるんだろ?みたいな脅迫観念さえ感じてしまう「凄み」がこの本にはある(気がしてきた)。それは実践してきた人の言葉だからなのでしょうかね。

コードサンプルは初心者でも2日でこなせる量ですが、この本に書かれていることを全部実践するには何年かかるのか?というボリュームです(けれど、今日からすぐ始められる)。 
なんとなく、「地球の歩き方」シリーズに似ているかもしれない。

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もう一つの読み方としては、「アジャイルなにがし本」に何万も金払って実践できず方法論疲れに陥ってる人が読むと良いと思う。
現場の実践内容は、とてもカジュアルにできることをやっているだけ、ということもわかると思います。

いろんな技術書や方法論を別々に頭に入れるのではなく、この本を使って俯瞰してみると、言語・フレームワーク文化や方法論というのは切っても切れない関係にあることが理解&体感できます。
一冊にこれだけの内容を盛り込んだ理由がよくわかる。

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・・・そんなことを考えていたら、一見薄っぺらくみえるこの本の価値がわかってきた。ニュータイプの技術書かもしれませんね。

著者とはいっしょにプロジェクトに参加したことがあり、本書のエピソードの中で、ちょっとだけボクの名前がでてきます。恐縮です。
軽やかにハイタッチしただけで名だたるRubyistと同じステージに紹介していただけるとは、Rubyの多様性は偉大ですねっ。
ちなみにボクは、Rubyだろうがなかろうがペアプロだろうがなかろうが、プロジェクトメンバーとは軽やかにハイタッチします。



最後に、自分にとっての「Rubyのおかげ」も書かせていただきますが、Rubyのおかげで結婚し、武田ソフトの技術構成員は2人になっています。これからライフワークになるかもしれないプロジェクトに仕掛かり中で、そこでRubyを使っています。良いタイミングで夫婦でペアプロ先輩から献本いただきました。ありがとうございました。


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