私のスポーツの見方は、ちょっと斜にかまえています。
W杯などを見てても、ボールの逆サイドや、ベンチの選手、監督の後ろで何かやってる人、など、そういうところに目がいってしまいます。
幼少の頃からバスケットをやっていたせいなのか、会社員として組織というものを考え始めてからなのか・・・。
スポーツチームには、監督、選手、マネージャーがいます。(実際はもっと複雑でしょうけど、とりあえずこの3役で話をすすめます。)
それぞれは対等な関係であり、誰がえらいとか、そういうこともありません。「選手より監督の方がえらいでしょ!?」という意見は、間違いです。ただ監督は采配権を持っているだけ。
W杯を見てのとおり、選手はロボットではありません。選手がいなければ、ジーコ監督だって、ただのおっさんです。
選手にインタビューして、戦略のことを口にする人はいないでしょう。ただ「自分ができることを精一杯やるだけ」と。この一言は、信頼する組織の中にいる人だからこそ出てくる、重い言葉のように思います。
あたりまえですが、監督とマネージャーの役割は、まったく違います。
マネージャーの仕事は、選手の体調管理や、スケジュール、データ収集など多岐にわたりますが、ざくっと言えば、監督と選手が余計なことを考えずに競技に集中できる環境を作るのが仕事です。
監督は、戦略やフォーメーションを考え、選手を育て、適した選手を配置してゲームの指揮を取り、そして勝つのが仕事です。
他の分野でも同じでしょう?
がちゃがちゃ動いているように見える芸能関係だって、ちゃんとプロデューサーとタレントとマネージャーがいます。実に成熟した組織です。
さて、私がいつも疑問に思うのは、ITプロジェクトの組織体制です。
たいてい、「プロジェクトリーダー」がいて「プロジェクトマネージャー」がいて、あとは、その他。
・・・ちょっと恥ずかしくなります。なりませんか?
「プロジェクトリーダー」って、なにをする人でしょうか。監督?マネージャー?あるいは、何に長けてる人がプロジェクトリーダーになるのでしょうか。年齢?技術?話術?
「プロジェクトリーダー」は役割ではないのです。
あえて例えるなら、スポーツチームの「キャプテン」に似ています。精神的な支柱、チームの顔です。だから、人格者であれば、マネージャーがリーダーをやったっていいし、プログラマがやったっていい。
プロジェクトマネージャーの役割は、スポーツチームのマネージャーと全く同じはずです。IT業界は、そこを勘違いしているフシがあります。
マネージャーを増やせ増やせと、ものすごい投資をしてますね。
プロジェクトマネージャーが優秀なら、プロジェクトは成功すると思い込んでいる。でもそれは、芸人のマネージャーに「番組作れ」と言ってるようなものです。
「仕事のできるプログラマは、マネージャーにならなければならない」。そういうスキルパスを強いている企業は多いでしょう。
でもそれは、優秀なサッカー選手に「君はマネージャーをやるべきだ」と言ってるようなものです。
あれ?そもそも「監督」がいない。・・・そう、ほとんどのITプロジェクトでは、「監督」の役割を担う人がいません。
実際の現場では、その役割を無理やり果たそうとする人はいるでしょう。
マネージャーが、監督さながら現場を仕切るときもありますが、それは職権を超えてます。プロジェクトリーダーが、必ずしも監督に向いてるとは限りません。そういう人たちが、プログラマにあれこれ指示を出すと、現場は確実に混乱します。
もっとも「監督」に近いのは、プログラマの中でリーダーシップのある人、でしょう。この人のことを「ITアーキテクト」として起用し、体制図にのせるのです。監督就任。ヤクルト古田監督ですね。
本当に勝ちたいのなら、上っ面だけの体制じゃなくて、勝てる組織作りを本気で考えるべきなんだ。
優秀な監督の多くは、過去は優秀な選手であったことは事実です。でも、選手としては無名だったけど、優秀な監督になっている人もいる。
どの監督にも、次のようなことは共通しているのではないでしょうか?