このカテゴリでは、しつこいほどスポーツの組織とITプロジェクトの組織を比較してきました。
他にもよく符合することがあります。
スポーツの審判団は、逆らえない存在ではありますが、かといって頭ごなしにゲームを支配したりすると、めちゃくちゃになります。そういう意味では、ITプロジェクトの品質管理部や監査などの組織の役割に似ているように思います。
これも繰り返しになりますが、審判やマネージャーの仕事は、選手や監督が思う存分力を発揮できる環境を整えることです。良いチーム・良いゲームを作るには、彼らの存在はなくてはなりません。
さて、これまでどちらかと言えば、プログラマ擁護の立場で書いてしまっていたように思いますが、そんなに甘くは考えていません。いままでの論法を貫けば、プログラマは、選手です。もっとも過酷な役割であり、主役です。主役としての責任があります。
その自覚があるでしょうか。
スポーツチームは、そもそも個人の運動能力を磨かなくては、強くなれないでしょう。そして、いくら運動能力や個人技量が高くても、選手同士の会話がないチームや、監督とソリが合わないチームも、マネージャーとの確執があるチームも、弱い。
プログラミングテクニックだけでは、チームは強くならないのです。
よく、ハッカー級のプログラマが数人いればプロジェクトは成功するなどと言われますが、それは間違いだと思います。(もしうまくいっているのであれば、彼らがITアーキテクトとしてチームをまとめているからでしょう。よく観察してみてください。)
個人の能力を磨く、監督の理念を理解する、周囲とのコミュニケーションをとる、自己管理する。こういった選手としての仕事は、だれかに与えられる能力ではありません。選手自らがトレーニングして得るものです。
ITアーキテクトが作るのは、枠組みだけです。実際にプレーするのは、プログラマです。
プログラマは、自分が主役である。という自覚を持ってほしいです。
コートにたってプレーするのは、プログラマなのです。お客さんが見ているのも、プログラマなのです。
そして、彼らをサポートする役割のメンバーも、その役割に自覚を持ってほしいと思います。コートにたってプレーするのは、プログラマなのです。お客さんが見ているのも、プログラマなのです。
自分の役割を理解し、まっとうしてください。職権を超えると、混沌を生むことを理解してください。
これまでの歴史で定着した組織像を変えるなんて、個人の妄想でしかないのかもしれませんし、そんなに簡単なことではないことはわかります。
プログラマの契約条件や、多層の下請け構造など、もっと根本的に変えなければならないこともあるように思います。いや、もしかしたら、無理やり変えなくても、世の中それで回ってるのだから、それでいいのかもしれません。
でも、IT業界は、プロジェクトチームという組織と個々の役割をはっきりさせようとしてこなかったことは、事実でしょう。それによって、慢性的な残業地獄や人手不足に陥っているのも、事実でしょう。
今、何かのプロジェクトチームに所属しているのであれば、チームメンバーで話しあってみてはどうでしょうか。すこしずつ変わっていくかもしれません(あるいは、今のままがベストという結論になるかもしれません。私はそうは思いませんが)。
W杯も終わり、熱も冷めました。このカテゴリはとりあえず終了です。